プラウ・シパダン Pulau Sipadan

アルバム『Pulau Sipadan 〜プラウ・シパダン〜』について

文/高木リィラ


ダイバー憧れの聖地、ボルネオ領シパダン島。

2011年に訪れたシパダンの海からインスピレーションを受けて創作した、

11章の小曲からなる組曲です。


このアルバムは、私の創作した音楽の中で、

「もっともマニアック」と夫が言ったほど、ある種の難解さがあるようです。


創った本人にはわかりやすい曲でも、

他者にとっては「何だこれ?」と思えるような、

不可解な音楽。


岡本太郎いわく、

「これ、いいわね」といわれるような作品は藝術ではない!

と。


その言葉に励まされ、私はこれまでたくさんの曲を創ってきました。


一般の人が、「これいい曲だね」と感じる曲というのは、

どこかで聴いたことがあるような、モダンな曲です。


藝術作品というのは、はじめて聴いた人がギョッとするような

わけのわからなさがあります。


それがただのメチャクチャな音楽なのか、

それとも、モダンを超越して藝術の域に達しているものなのか。


その判断は、聴く人に委ねられます。


さあ、私の『プラウ・シパダン』はどちらでしょう!?


リスナーの方々にご判断をお任せいたします。

↑シパダンの海にもぐると、周囲をグルリとギンガメアジの群に囲まれる。


リィラ式 音楽の聴き方講座

「音楽の勉強を専門にやってきた君と、一般の人達が、

同じように聴こえていると思ったら大間違いだ」

と夫に言われました。

確かに、最近ある生徒さんにピアノのレッスンをしていて、

「左手の伴奏がドでもソでも同じように聴こえる。

なぜ音を変えなければいけないのかわからない」

と言われ、私は大きな衝撃を受けました。

なぜその音でなければならないのか、

なぜ別の音に変えたらいけないのか・・・


それは作曲家がそのように創っているから、としか答えられませんでした。

一般の人にとっては、和音がCでも、Gでも、

同じように聴こえるのかもしれない。


和音がGであるべきところで、Cの和音を弾いても、

違和感がないのかもしれない・・・


そうなると、『プラウ・シパダン』のように、

和音が複雑に交錯するような音楽は、

一般の人には意味がないものなのかも・・・!!!!(ショック)


音大受験生が必ず勉強する科目に、

「聴音」というものがあります。

ピアノで演奏される曲を、五線譜に書き表すのです。

単旋律だけではなく、

2つの旋律がある2声の音楽、

4つの音が重なる「和声」というものが基本になっています。


この聴音の訓練が、音を細かく聴き分ける能力を養っていると思われます。

音を分けて聴き取る訓練は、

大人になってからでもできるものです。


たとえば、歌のあるポピュラー音楽などで、

普通は歌の部分(メロディー)だけを聴いていて、

あとの伴奏部分はほとんど聴いていないことが多いのですが、


メロディー以外の部分

・ドラム(リズムを刻んでいる)

・ベース(一番下の低い音を担当している)


などは比較的聴き取りやすいので、

ぜひ注意して聴いてみてください。


「あっ、今、ベースの音が聴こえた!」とわかるようになると、

音楽の楽しみは2倍になります。

メロディーだけでなくベースの動きが、

音楽に躍動感と安定感、リズム感を与えていることに気づくはずです。



プラウ・シパダン

作曲・編曲・演奏・ミキシング・マスタリング/高木リィラ

使用楽器:Yamaha TG500、E-MU Proteus Orchestra、Yamaha MOTIF-RACK 他


参考ページ:

『ボルネオ巡礼:2011 撮影:高木美佳&一行 2011.08.30〜09.08 

第1回 ゆるしの海に抱かれて』ライナーノーツ


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高木リィラ*Leela Music*

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